開業奮闘記

2013年9月 5日 木曜日

その3「開業の極意」

さて、メガシティタワーズの医療モールでの開業を決意したわけですが、 「クリニック開業」とは自分ひとりで事が進むほど単純なことではありません。 すでに数冊の開業指南本を読んではいましたが、では実際に何をすべきでどこに頼めばいいのかなどの情報は分かりません。 ここは、素直に開業コンサルタントを雇うことにしました。
数社に当たってみましたが、一番ピンと来たのは、以前少し面識のあったO氏が運営するコンサルタント会社です。 彼は以前、大手コンサルタント会社に勤務していましたが、その後独立して、独自の理論で開業コンサルタント業を展開しています。
彼は常に言います。
「医療関係者の目線で物事を考えてはだめです。常に患者さん目線で考えてください」
このこと自体は当たり前で、目新しいことではありません。でも、これができない医療機関がいかに多いことか!と彼は言います。 患者さんの気持ちを思い、丁寧な診療を心がけることはできても、患者さんと同じ意識になって考えいくのは、 相当の意識改革が必要だからです。簡単なことではないけど、やらなくてはならない課題を突き付けられたようでした。 もう一度、「地域医療とはなにか?医療サービスとはなにか?」を深く考えなくてはなりませんでした。

投稿者 医療法人癒美会 みぞぐちクリニック | 記事URL

2013年8月20日 火曜日

その2「大きな波」

「よし、自分のクリニックを作ろう!」と思いたったのは、平成25年1月のことです。
まず思ったのは、自分が開業したい場所にクリニックを作るのではダメだ、ということです。 マーケッティングの観点からは当然のことですが、医療ニーズがないところに無理に開業しても、 自分自身にも地域の方々にとってもいいことはありません。色々情報を多方面から集めていくうちに、 「八尾市にはまだ医療ニーズが満たされていない地域が多い」との情報を得ました。そんなところへ、 ある会社から医療テナント開業の話が飛び込んできました。場所は「八尾市龍華町」、八尾市民病院の近辺ということでした。 まったくそのあたりに土地勘のない私は、まずは自ら現地を歩きました。事前にネットで調べていましたので、 近隣の医療機関の数は把握していました。
「八尾市民病院さんがあって、近くには○○内科クリニックと△△循環器内科クリニックがあって、盛業中のようだけど・・・」
明らかに私の専門科目と競合していますし、もう地域の医療ニーズは満たされているのではないかと思われました。 ただし、目の前には巨大なマンション「メガシティタワーズ」がありました。
「ああ、ここ1500戸ぐらいあるんやったなあ。一つの町やなあ・・・」
このマンションの東棟には医療モールがあり、歯科医さん、整骨院さん、眼科さん、そして私とおなじ内科の先生が開業していると聞いていました。
「どれどれ、どんな感じの医療モールかな?」
2階のフロアに上がります。ホントに八尾市立病院とデッキでつながっています。
歩いて1分もかかりません。
モール内の眼科の先生は、以前私が非常勤医師として勤務していた病院の眼科部長をされていたので、顔見知りです。
「さて、となりの内科の先生はどんなかんじかな?」
・・・と思い隣を覗いてみると、なんとそこには「入居者募集中」の張り紙が!
「!!!!」
非常にびっくりしました。盛業中と聞いていたのですが、そうではなく閉院されていました。その場でテナントの管理会社に連絡をしました。聞くところによると、そのクリニックは開業後1年で院長がご病気となり、閉院を余儀なくされたとのことです。
なんという偶然!まさに何かに引き寄せられるように、私はこの地にやってきたのではないかと思わずにはいられませんでした。
「これは、私にここで地域医療をがんばれ!という神のお導きでは!?」
敬虔なクリスチャンではありませんが、この時ばかりは見えない大きな力が働いて、運命の流れが変わったように思いました。
そこからは、トントン拍子で話が進みました。すでに2件ほどそのテナントでの開業案件があったようですが、クリニックモールの管理会社の方が私の医療コンセプトを重要視して下さり、後から手を挙げたわたしを最優先してくださいました。これも、あり得ないほどの話です。わたしは、ビッグウエイブに乗ったサーファーのような昂揚感を覚えていました。

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2013年8月15日 木曜日

その1「総合病院の壁」

医師として、複数の医療機関に勤務してきました。私は順応性の高いほうですが、 それでも自分の理想とする外来診療を行うことができず、ジレンマを感じることがありました。 使用薬剤の種類が限られていたり、患者サービスの不行き届きだったり、 総合病院での外来診療には自分ではどうにもできない大きな壁がありました。
一時期、あるクリニックの院長を任されたことがありましたが、その時素直に 「非常に仕事がやりやすい」「患者さん個々の事情をくみ取りやすい」と感じました。 職員と患者さんとの距離が近くなり、親身になって対応ができ、さらに自分自身もストレスが少なくなりました。 諸事情により、その院長職を辞することになりましたが、もう病院勤務医に戻るつもりはありませんでした。 私は、クリニック診療の楽しさに魅了されてしまったのでした。

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